銀行からの評価は決算書で8割は決まってしまいます。
ということは、決算書の中身についてしっかりと考えて作成せねばなりません。
まず、銀行融資を借りやすい決算書を考えなければなりません。
また、決算書を銀行に提出する際には、できる限り経営者またはご子息にて銀行にお渡しするよう心がけてください。ただ、税理士が作成したものを提出するのではなく、前期との違いの理由などを明確に答えるようできる必要があります。
また、下記に銀行から融資を引き出すための必要な項目を並べてみました。
是非、ご参考にしてください。
融資の決め手の決算書の作成で気をつけること
ただ税理士さんに決算書作成を任せるだけでは、銀行対策用に決算書にはなって
おりません。下記のポイントを押さえた決算書作成を心がけてください。
【融資の決め手となるポイント】
- 現金残高 預金を棚上げして現金残高を増やそうとする決算書をよく拝見しますが、そもそも何百・何千万円のも現金を手元に置いてあるとは銀行は考えません。
- 売掛金残高 業界の水準の何倍もの売掛金がある。銀行員は確実に見抜いています。特に手形取引も発生しない企業が、回収に何ヶ月もかかる得意先を持っているとは考えづらいので、非常に危険です。無意味な水増しは気をつけましょう。
- 在庫残高 在庫も売掛金と同様に適正から大きく外れていると、銀行サイドで引き直しをします。実態に即した数値を記載しましょう。
- 受取手形の割引 手形を割引けば、有利子負債が減り、債務償還年数が短くなり、格付けは改善します。
- 未収入金 継続反復して発生するのであれば、売掛金として処理してください。運転資金が大きくなり、借入のときに資金使途の説明がしやすくなります。また、債務償還年数を計算するときは、有利子負債から運転資金を控除するので、債務償還年数も短くなり、格付けが改善します。
- 仮払金 この項目の金額が多いと銀行は疑念を抱きます。簡単に言うと、使途不明金扱いだからです。ここは発生しないようにしましょう。
- 社長貸付金 中小企業の決算書ではよく見かける科目ですが、銀行がとても嫌がる勘定科目です。会社のお金を私的に流用していると疑われるおそれがありますので、期末には残らないようにするべきです。
- 買掛金と未払金の区分 原価に対応する債務を買掛金といいます。買掛金に相当しない債務は、未払金に区分してください。買掛金が小さくなれば、その分だけ運転資金が増加して借入のときに資金使途の説明がしやすくなります。また、債務償還年数を計算するときは、有利子負債から運転資金を控除するので、債務償還年数も短くなり、格付けが改善します。
- 長期借入金 返済期限が決算日以後1年超の借入金は、必ず長期借入金にしてください。安全性の指標が改善します。
- 家賃収入 減価償却費は、販管費に計上されているのですから、売上に計上しましょう。売上総利益、営業利益を改善できます。
- 資産の売却収入 継続的に発生するものであれば、特別利益ではなく、売上に計上しましょう。売上総利益、営業利益、経常利益を改善できます。
- 不良在庫の処分損 売上原価に含めてしまっている会社が多いですが、臨時的な損失なので特別損失に計上しましょう。売上総利益、営業利益、経常利益が改善します。
- 見本品 売上原価に含めてしまっている会社が多いですが、れっきとした販促費なので販管費に計上しましょう。売上総利益が改善します。
- 減価償却の未計上 利益を大きく見せるために計上していないことを簡単に見抜かれてしまいますので、ある程度は、規則的に償却する必要があります。
まずは、上記の項目を修正するだけでも、今後の銀行融資対策において一定の効果を
得られる可能性が高まります。是非、決算書作成には上記のことを視野に入れておいてください。